世界は少しぼやけている

Billie Eilishのドキュメンタリー”The World’s A Little Blurry”


『世界は少しぼやけている』

 

 

 

数ヶ月推しまくってるけど、だれも登録してくれないApple TV+で配信されていて、劇場公開もされたこの作品。

 

みんな大好き、ビリー・アイリッシュと”Bud Guy”。

 

音楽一家で育ったビリーがLAの自宅で兄、フィネアスとともに曲をつくったりするところから、2020年グラミー5冠のスターダムに駆け上がるまでのお話で、

ワールドツアーなどなど輝かしい一面の裏で、恋や鬱、怪我に葛藤するビリーの姿を描いている。

 

家族からこんなにも大きな愛でサポートを受け、彼女を尊重し側にいてくれる友人がいても、デビューする前はリストカットを繰り返し、「17歳まで生きると思わなかった」と語る彼女が、わたしには一瞬不思議に思えた。

 

だけど、ビリーのお母さんが

 

「10代の子は苦しんでる。必死にもがいてるの。
大人たちは“若者たちはすぐに落ち込み鬱のフリをする”と言う。
病みたくもなるわよね。彼らの両親は私たちのように不況の中を生きてる。
家を失う恐怖と闘ったり、お金の心配が尽きない。
ドラッグが蔓延する地域に住んでるとかね。
地球の崩壊を見れば病みたくもなる。
今の政治状況は恐ろしく荒れてるし、人種問題もあるし、今の子たちは苦しんでる。
ビリーの歌は暗いと言う人もいるけど、それが現実よ。恐ろしい時代ね」

 

と話すのを聞いて、そりゃそうかとしっくりきた。

 

30代だけど、どれだけ満たされているように見える友人でも、今の時代を苦しんでいる人は多いから。

 

ビリーは世界中が憧れる天才で、だれもが認めるスター性がある人だけど
どれだけ人気者になっても、SNSのコメントを常に心配し、一喜一憂する女の子で


簡単には説明できない苦しみと孤独の中で、自分が感じたことをありのまま表現し、最高のパフォーマンスを追求する姿に、こりゃもう好きになるしかないよなとじーんとした。

 

最近街を歩けば必ずと言っていいほどTikTokを撮る女の子たちがいて
当たり前のようにみんなが日常の動画を撮って世界中に公開するのって度胸あるな〜と眺めていた。


ビリー自身も子どもの頃からカメラを回していて、それはすごくいい映像だった。

 

わたしたちが思春期に膨大な時間を使いプリクラを撮って友人同士で共有していたことが
次第にSNSに移行し、すぐにはツールとして流行しなかった動画という文化が、今は最も身近なところにあるわけだもんね。

どうしても感じてしまうSNSへの抵抗感とか羞恥心とか、捨てられなかったら取り残されていくのかなと一応映像を生業にしているので、ちょっと焦りも感じるけど、ビリーほどの人がコメントに落ち込む姿を見ると、やっぱり完全には捨てきれない。

 

ライブのシーンで皆が必死にスマホを掲げて歓声を上げながら撮影しているのにも私は少しぞっとしてしまった。
作中でビリーが訴えていた「今を楽しむこと」よりも、共有することを優先する文化ってちょっと怖い。

 

ビリーが13、14歳のときに軽く歌ったことが今年になって拡散、アジア人ヘイトで炎上して謝罪に追い込まれたのもやっぱり恐ろしいなと思う。

 

オリンピックの件は致し方ないと思うけど、思春期の言動まで取り締まるようになったら、すべてのことに保険をかけて生きることになるわけで、そんなの苦しすぎるよ。

これから一体どうなるんだろう。

 

負の要素強めに書いちゃったけど…


スターダム街道まっしぐらな中の真っ直ぐな恋の過程が描かれていたり、ライブ映像としても素晴らしいドキュメンタリーなので、気軽に観てみてください。

 

 

それにしても、彼女を支え続ける兄フィネアス、ルックスも、奏でる音楽や声もアンニュイでいいな〜。

 


兄がこんだけ優しくなったらいいのに。

 

 

 

おわり。

 

 

 

 

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