友だちについて④

数年前に、結婚した友人と話していたときに、 「私にはスピーチ頼むなら絶対この人!って思い浮かばないなー」って言ったときに 「うちもそんなもんだったよー」って答えが返ってきた。

結婚式ではもらい涙必至な感動のスピーチだったんだけど、後から聞いてみると、一番長い付き合いではあるし親友だけど、大人になると合わないところも大きく出てきて、なんでも言い合うという関係ではないらしい。

大人ってむずかしい。

大人になっても「親友がいる」って疑いもなく言える人ってどのくらいいるのかな。

親友ってなんだろう、と考えたとき、わたしがぱっと思い浮かべるのは 海外ドラマの『FRIENDS』と『SEX and the CITY』のイメージです。

Cosmopolitan.uk By Claire Hodgson
Cosmopolitan.uk By Claire Hodgson
HBO Sex and the City
HBO Sex and the City Episodes

今さらSATC FRIENDS!?って思うかもしれないけど、いろんな海外ドラマに手を出しても、何度でも繰り返し観てしまうのはこの2作品だけ。

全シーズン10回以上観てもまったく飽きず、きっとこれからも何度となく観続けるんだろう。

ひとりでごはんを食べるとき、疲れ果てて落ち込んでいるとき、映画やテレビなんて観れないようなときだって

あたりまえに再生ボタンを押してしまう。

再生デッキの横に鎮座しているボックスはまるで家族の一員のような温もりすら感じる存在感。

FRIENDS』は1993-2004Season 1-10)

SEX and the CITY』が1998-2004 (Season 1-6, Movie 1-2)

と同時期のドラマ。

海外も日本も90年代って本当にドラマの黄金期、、、!!

どちらも本当に素晴らしい作品だけど、なぜこの作品がここまで憧れをもたれたのかって、恋愛やキャリア、ニューヨークでの華やかな生活はもちろんあるけど、一番はその「友情」なんじゃないかと思っている。

毎日のように会ったり連絡とるのは当たり前。

夕食はもちろん、朝食、ランチ、買い物……当たり前に一緒に行動して、約束なんかしてなくてもそれぞれの家に行って一緒にテレビを見たり、馴染みのカフェでだべったりする。

疑問が湧いたり、幽霊が見えたり、寂しいと思ったら深夜であろうと電話しちゃったり、そんなとき友だちがタクシーで家にかけつけてくれたりする。

うっ………うらやましい……!!!!

大人になると、気軽に会おうって言えなかったり、寂しくて話したい夜も電話するのは憚られたり、

わたしたちはいつのまにか「友だち」間の距離を少しずつ遠ざけるようになっていく。

恋愛でもそうだけど、「自立した」とか「依存していない」ということを

大人であることの最低条件であるかのように、求められる。

しかし『FRIENDS』『SEX and the CITY』の憧れるポイントはまさに「依存できる」友だちがいることだと思う。

ここでようやく、今回のテーマである文化庁長官もつとめられた臨床心理学者の河合隼雄先生の著作、『大人の友情』の一節をご紹介。

人間として一人立ちしているということは、孤立しているのではない。ずうっと以前は、アメリカの心理学で、依存と自立を対立的に捉え、依存が少ないほど自立していると考えるような単純なことをしていたが、1960年頃より、自立している人は、適切な依存ができてそのことをよく認識している人である、と考えるようになった。このことは、あらゆる人間関係において言えることだが、友人関係の場合もこのとおりで、違いに依存したりされたりしつつ、そのことの認識の深さによって、その自立性も高まるだろう。

一人立ちしているからと言って、いつでも、誰とも一心同体などと感じたことはない、というのは淋しすぎる。「一心同体」と呼びたいような感情を友人と分かち合う素晴らしさを味わいつつ、だからと言って、常に一心同体であると考えるほど、それに溺れ切らないというのがいいのではないだろうか。

この2作どちらも、ほとんどのメンバーが大人になってから出会っていて、それぞれキャリアや恋人、結婚、子供というステージを自立して歩み、

それぞれの幸せを掴んで行く。

それは当たり前に依存できる友だちがいるからこそなんじゃないかなと。

男とデートしてひどい目に遭っても、仕事クビになっても、親が死んじゃっても、当たり前に側にいてくれる友だち。

SATC

Maybe our girlfriends are our soulmates and guys are just people to have fun with.

「きっと私たちがソウルメイトなのよ。男たちはただ楽しむだけの相手なのかも」

という有名な台詞があるけど、「一心同体」というような感情をわかちあえている状態=Soulmateなのかな。

そんな人を見つけられたら、そんな関係を作れたら、きっと人生無敵だ。

フィクションだしアメリカと日本じゃ違うこともたくさんあるけど、実現を夢見て、

20代ラストスパート、そしてこれからの人生を歩めたらいいな。

『大人の友情』の話はかじっただけになってしまったけど、また次回につづく。

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